献杯

先日、用があって実家に帰ったら、母が真顔で言った。「Kako・・それが変なのよねえ。お酒が減ってるのよ。昨夜絶対3分の2は入れてたはずなのに、今朝になったら・・」見れば、祭壇に置かれたガラスのおちょこには半分に満たないお酒が入っている。アルコールだから蒸発する分はあるかもしれないとも思ったが、「お父さん、飲みに来たんじゃないの?」と母に言うと、母は「やめてよ」と顔をしかめつつも「怖いことは辞めてくださいね」と父におどけて語りかけた。遺影の父はもちろん、知らぬふりである。

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