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サンタが街にやって来る

12月24日の夜、サンタクロースは大忙しである。何しろ、一晩の間に世界中の子供たちに希望通りのプレゼントを届けなければいけない。小太りの身体を煙突にもぐりこませるのだから、赤い衣装は煤だらけになりそうだ。もっともこの体型も衣装も、そして「Ho! Ho! Ho!」という笑い声も、某飲料会社が作り上げたイメージだという話だが。私の小六の娘ラスカル(仮名)にはそれを伏せて去年まで毎年サンタが来ていた。が、先日、無邪気な私の友人が娘におもむろに尋ねた。「ラスカルちゃんは、いつまでサンタさんを信じてたの?」

一瞬、私と娘との間に沈黙が走った。「いや、あの、そのう・・うちは、まだ・・」もごもご言い澱む私の様子に友人は「しまった」という顔をしたが、もう遅い。友人ももう無言である。さて、どう収拾をつけたらよいものか。私は恐る恐る娘のほうを見た。すると娘はにっこりと笑った。そして、あっさりと「大丈夫。もうそのことは知ってるよ」と言った。

私だって、娘が小六ともなれば「さすがに気付いているんじゃないか」とは思っていた。だけど、それをオープンにするタイミングを計りかねていた。「ねえ、お母さん、サンタさんは本当にいるの? 違うよね」と聞かれれば「うん、実はね」と言うことも出来る。そうじゃないものを、わざわざこちらから言うのも変な話だ。

娘は娘でやはりタイミングが難しかったらしい。分かっていることを私たちに告げてしまうと、もうプレゼントがもらえないかもしれないという心配もあっただろう。でも、それ以上に私たちに対しての気遣いもあったらしい。実は小学校も1、2年生ぐらいの時には気付いていたのだそうだ。そして、クラスメートと「でも、お父さん、お母さんには言わないでおこうね」と話してもいたのだという。子供たちは皆、「子供のままでいてもらいたい」という両親の願いをちゃんと分かっていて、けなげにも演じてくれていたわけだ。

私はこの話を私の母にしてみた。母は「あの年になってまだ信じてたら逆に心配だものね。良かった、良かった」と笑っていた。実は私には子供の頃にも一度もサンタが来たことがなかったのだが、改めてその理由を尋ねると「Kakoは小さい頃から理屈っぽかったからね。理詰めで問い詰められそうで面倒だった」からだそうで、「ラスカルちゃんは気付かないふりをしてくれるなんて、Kakoよりずっといい子ねー」といわれてしまった。

昨日、娘は自分のお小遣いから私と夫へのプレゼントを買ってきてくれたというので、少し早いけれど家族でプレゼントの交換をした。娘が一生懸命選んでくれたプレゼントに私は感動しきりだったし、はっきりと「お父さんとお母さんから」プレゼントできたのも結構うれしかった。

こうしてクリスマスは毎年少しずつ状況が変わってきて、同じ年はない。これからも、色んな形の家族のクリスマスがあるのだろう。来年はどうなっているのだろう。誰にもわからないけれど、また穏やかなクリスマスを迎えられたらと思う。

皆さんは今年どんなクリスマスを過ごしますか? 特別な思いのある人も、そうではない人も、

皆さんに、メリークリスマス。

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