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結論ありき

私の父はA新聞が嫌いである。なのに、もう何十年も新聞を変えていない。いつも読みなれているスタイルが変わってしまうことが不安らしい。文句を言いながら、それでも朝早くに郵便受けに取りに向かう習慣は辞められないのである。もっとも父がA新聞を嫌う理由は、世間一般で言われているような偏った報道ということばかりではないようだ。随分と個人的な恨みらしい。

父はもうすっかり年金生活に入ってしまったが、以前はごく普通の会社員だった。その会社は材料の調達のためにとある発展途上国に進出していた時期があり、駐在員を一人だけ送り込んでいた。他に目立った日系企業の駐在もなかったから、会社の設立、社員の生活基盤など、大変なことは多かったと思う。

そこにA新聞からの取材の話が持ち上がった。日本から遠く離れたところへの取材とあって、受け入れる方もどこかうれしく、せっせとあちらこちら案内したり、おみやげを用意したりしたそうだ。まあ、心のどこかに自分たちのことを少しでもよく書いてもらいたいという気持ちがあったのも確かだろう。が、取材がすみ、記者が帰国して、紙面に載った記事はまったく逆のものだった。

記事は、日本の企業がいかに発展途上国の自然を無残に破壊しているかを糾弾するものだった。父の同僚の方が車で案内した作業場は、環境破壊の動かぬ証拠の写真として載っていた。同僚はおそらく自分の会社について色々と説明していたはずだ。彼以外、現地の人を雇って働いてもらっていたのだし、継続的に作業をする予定なのであれば、完全に環境を破壊しつくすはずもなかった。しかし、それらの説明は一切記事になかった。そして、後で思えば、そういう話には興味なさそうな様子だったのだという。

おそらく・・と父は言う。記者は「現状どうなのか」を取材に来たのではないのだろう。「破壊されている」というのがもう既に結論としてあって、取材はあくまでそのための材料でしかなかったのではないか。と。

今回、テレビで世間を騒がしている「あるある大事典」も同じ構造なのかもしれない。いや、最初からデータそのものを取ることさえもしていなかったりするから、「こうあってくれ!!」と願いつつデータを見守ってつい改ざんしてしまうのとは、質が大きく違う気もする。

それにしても・・・。あの番組、品切れが続出してしまうくらい、そんなに視聴率が高かったことがちょっと驚きではあった。私も確か一度だけ見たのだが、実験サンプルが6人とか7人とかとんでもなく少ない数で結論をだしているのを見て、「???」と思ったから。もっとも、この手の「ダイエットに効果」なんていう企画はごろごろごろ転がっているから、これを全部検証しだしたらきりがなさそうだ。 ちなみに、昼のみのもんたの番組を見て病院に来る人は実は結構減ってきているらしい。今は「本当は怖い家庭の医学」経由の人が増えているそうだ。さて、両番組はいかに?

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受信: 2008/04/03 22:50

コメント

こんにちは、同じく好きではなくてもA新聞をとり続けている 涼です。

∥既に結論としてあって、取材はあくまでそのための材料でしかなかったのではないか

同じようなことが、つれあいにもありましてね。先に結論ありきで取材されて、違う見解など聞く耳持たずだったようです。

今回の捏造報道については、ある意味制作側も気の毒な気もしますが。
「みのものた」も「あるある」も見たことがない者が言うべきではないかもしれませんね。

投稿 | 2007/01/30 12:14

こんにちは

次の被害者は私かも知れません。1週間ほど前にA新聞の取材を受けました。仕事中に2時間あまり。

近いうち、東京版で比較的大きく取り上げられるようです。でも、イマイチ、私が語っている内容の真意がそのまま伝わるようには思えないのです。正直、不安です。

お父さん、悔しかったでしょうね。お気持ちはよく解かります。

投稿 poohpapa | 2007/01/30 14:13

昔、上司がA新聞ではなくY新聞の取材で同様の仕打ちにあって激怒していました。「もう二度とY新聞は購読しない!!」と叫んでいたことを覚えています。

どうも結論ありきの取材はマスコミ共通の体質のような気がします。

投稿 こに | 2007/01/30 15:18

涼さん、こんにちは。
名前まで出る場合には、その扱われ方によって自分自身の意見も曲げられてしまうことになるわけで、とても怖いと思ってしまいます。
まあ、今回の件ではあくまで「効果がない」ということであって「害がある」とまでは言い切れないので、制作側もどこかで甘えがあったのかもしれません。
ショーなのか、あくまで情報番組なのか、送り側と受ける側で多少認識の違いもあったのでしょう。私なぞ、いつも「んなわけないでしょーが」とテレビに突っ込んでいるので、家族にうるさがられます(笑)。

投稿 Kako | 2007/01/30 17:16

poohpapaさん、こんにちは。
新聞は雑誌とは桁違いに読者が多いので、周囲の反響は大きいですよね。テレビはさらにでしょう。その怖さを分かっていて欲しいと思います。

夫が雑誌や新聞の取材を何度か受けているのですが、どのときもメールできちんと原稿の確認をとっていました。以後のお付き合いも考えてのことかもしれませんが、本来こうあってほしいですよね

投稿 Kako | 2007/01/30 17:23

こにさん、こんにちは。
確かにそういう体質はあるでしょうね。「こういう記事(話題)をやりたい! そうすれば読者(視聴者)が喜ぶ!」と思ってしまいそう。
でも、学術研究の場合でも、そういう傾向は否めないのではないかと思います。実験した結果が予想通りならうれしくなってしまますから。人が冷静に客観的に判断するということは、とても難しいことなのかもしれません。

投稿 Kako | 2007/01/30 17:32

報道したい内容を報道している、これに尽きるのでしょうね。取材された側はやりきれませんし、書き手の意図が透けて見えると読者として辟易としますね。

裏を返せば、視聴率争い(購買者争い)というのは、きれいごとなど言っていられないほど熾烈なものなのだということかもしれませんが......

「あるある〜」の一件には本当に多くを考えさせられます。たかが納豆ですが。ねつ造は全く関心しませんが、それを許した社会の土壌はどうなのか、他の番組も大差ないであろうになぜ「あるある〜」だけが叩かれるのか、そしてひとたび悪者として社会に認定されると、まるでいじめのように「レタス実験もインチキだった」「あずきもインチキ」「味噌汁もインチキ」と、一つ一つが記事となって新聞紙面を埋める........

報道って何のために存在するのだろう?と不思議に思うことばかりです。

投稿 ビアンカ | 2007/01/31 06:29

ビアンカさん、こんにちは。
こういう情報バラエティの場合は、視聴者にも受け取り方の違いがありますから、制作側も姿勢がブレてしまう面があるように思います。「お互い納得の上ならいいじゃないか・・」ということでも困るのですが。

本来報道と言うのは真実を伝えるためにあるはずだったのですよね。その大前提をこの件で問題提起するというのだったら意味があるのですが、ただその番組制作会社や、一つのテレビ局を責めても仕方がないように思います。

投稿 Kako | 2007/02/01 09:36

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