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面白いエッセイの難しさ

以前、ある雑誌に某有名女性作家へのインタビューが載っていた。そこで記者が質問していたのは「どんなエッセイを面白いと思いますか?」というもので、それに答えて「**さん。以前の方が破滅的でもっと面白かったけど」と仰っているのだった。話題にのぼったのはブランド物を買いあさっている様子をそのままエッセイにしていた方で、今は少し題材が違ってきているけれど半ば自虐的に自分のことをネタにしていることには変わらない。確かに常識に囚われていない人の書くものは興味をそそる。その点でblogはとてもそういうことに向いている。基本的に匿名で、好きなことを書けるはずだからだ。でも、私は不器用なのか、どうもそういうことが出来ない。

ぞふぃさんが「匿名の功罪」という記事を書かれている。ぞふぃさんは身近な方々にblogの存在を教えていて、そのことで書く内容にどこか逃げ道を作ってしまい、はっきりと言い切っていないのではないか、と自問していらっしゃる。

私はというと、このblogのことをほとんど誰にも話していない。自分の考えていることを身近な友人達に詳しく知られるのはなんだか気恥ずかしいし、現実の私のイメージに囚われないで読んでもらいたいという気があるからだ。それでも、そういう人達に読んでもらうことを想定しながら書いている点ではぞふぃさんとあまり変わらない。いつ、どんな形でここにたどり着くか分からないのが、インターネットの世界なのだ。

私には、実際にプロのライターの友人にネタにされて、世の中に書籍として売られているという経験がある。そのことについて私はぶちぶちと文句を言っているけれど、口で言っているほどに怒っているわけではない。昔の話ではあるし、跳ねっ返りの私の姿でもその描写に友人の愛が感じられるので、決して不快ではないのである。ただ、これが、自分自身触れたくないことだったり、あるいは、普段自分がしていることを批判されていたらどう感じただろうかと、想像してしまう。

友人や親兄弟が偶然にたどり着いた場所で私の言葉を目にしたとき、少しでもショックを受けたり、傷ついたりすることがあってはいけないというのが、私の記事の書き方の基本になっている。本当は「事実は小説よりも奇なり」で、身近なところに波瀾万丈の人生が転がっていたりして、「あー、このネタ、書いてしまいたい」と思うことがいくつもあるのだが、それを書いたとして、当の本人が読んだら必ず傷つくのが分かっている。例え、その記事の評判が良かったとしても、私は決して幸せな気持ちにはなれないだろう。

先に書いた女性作家はエッセイストになるために必要な資質の一つとして、「人に嫌われてもいいや、という強さを持つこと」と挙げていた。「善良な人の書く善良な文章なんてつまらない」と。確かにそうなのかもしれない。だとしたら、私は「面白い」と思って頂ける書き手にはなれないのだろうし、また、そうでも構わない、と、素人だからこそ思ってしまうのだ。

ちなみに、夫はこのblogのことを知っていて、その気になればいくらでも読むことができるようになっている。が、決してしない。それは夫が活字を読むのが好きではないからというのが一番の理由だが、もう一つ。「普段話していることをそのまま書いているんだろうと、想像がつくから」なんだそうだ。さすが夫。だてに20年近くもつきあっていない。。

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コメント

こんばんは。
私は何でも書いているほうかもしれないですね。
リアルな知り合いには、告げてないですけど…
告げずにネタにしてますけど…汗
ほほほ。
面白いにも種類があるじゃないですか。
私は活字は好きですし、書くことも好き。
私にはkakoさんのブログは、興味深くて、
オモシロイですよ。
いつも楽しみにしていますから、
日々思ったことを、つづってくださいね。

投稿: tsuyorin | 2004/12/03 23:26

tsuyorinさん、こんばんは。

なんて有り難いお言葉なんでしょう!!
オモシロイと言って頂けるのは、本当にうれしいです。

ちょっと格好つけた書き方をしてしまいましたけど、まあ、ごく身近に、色々と・・あるわけでして・・。
関係者がみーんな居なくなったときに、小説の一つも書いてみたいと思っていますが、その時には私もこの世からいなくなっているかもしれません(笑)

こんな感じでいつも書いていますが、どうぞ今後もよろしくお願いいたします。

投稿: Kako | 2004/12/03 23:45

こんにちは。

わかるわかる、とうなずきながら読ませていただきました。Kakoさんの思いが溢れた文章、いつも興味深く読んでいますよ! コメントに書くと長くなりそうなので、トラックバックをさせていただきました。

追伸:夫がドラクエ8を始めました(^^;)。

投稿: Tompei | 2004/12/04 10:23

こんにちは、「匿名の功罪」のぞふぃです。
トラックバックありがとうございました。

いやあ不遜な言い方で恐縮ですが、、Kakoさんの記事には私が書き足りなかった部分を補っていただいたようで、感謝とともにその澄んだ視点のつけどころに、改めて賞賛の意を表したいです。

>友人や親兄弟が偶然にたどり着いた場所で私の言葉を目にしたとき、少しでもショックを受けたり、傷ついたりすることがあってはいけないというのが、私の記事の書き方の基本になっている。<

そうですね、その通りですね。
名を明かしているとは、その知人へ「たどり着く」可能性とそれまでの時間がKakoさんより短いだけ、という気がしてきました。
匿名でなくともそういう配慮をしないひともいるだろうし、匿名でもKakoさんのように配慮するひともいることでしょう。
「匿名であるかないか」と書く側の周りへの配慮とは別の次元の問題のようですね。

大変興味深い考え方を示して頂き、ありがとうございました。
これからもよろしくお願い致しますね。

追伸
余談ですが、我が夫は活字大好き人間なので私のblogの良き読者です。ときどき批評を私が求めても、当たり障りの無い批評しかしてくれませんが・・・もっとも、書いているのは私でも内容は我々夫婦の考えということが多いせいでもあるのでしょうが・・・
・・・長文駄文のコメントで失礼致しました。

投稿: ぞふぃ | 2004/12/04 13:11

tompeiさん、こんにちは。

私自身、まだ色々な迷いがあって試行錯誤で、偉そうなことを言える立場ではないのですが・・・。

少なくても、今のところこのスタンスでいたこうと思っていますし、その形を楽しんで下さる方が少しでもいらっしゃるなら、こんなうれしいことはないです。

トラックバックありがとうございました。

投稿: Kako | 2004/12/04 15:54

ぞふぃさん、こんにちは
まだトラックバックのご報告にうかがっていなくて申し訳ありませんでした。わざわざ出向いて頂いてしまって・・・。


匿名であるか否かは、またさらに責任や配慮の重さは変わってくると私は思います。
「私の夫は・・」と書いたとき、夫自身が見ただけなら「ふんふん、そんな風に見てるのか」と思うだけですが、これがオープンになっていれば、「この話を**と**が見て、これこれこんな風に感じるかもしれない」と思うわけですから。

クマのプーさんは世界的に愛されている物語ですが、あそこに出てくるクリストファー・ロビンは実際に作者の息子の名前です。ほのぼのとした雰囲気になっていてなんの問題もなさそうですが、本人は人からあのイメージで見られることを苦痛に感じ、最後まで父を許せなかったそうです。

結局の所、一番大切なのは何かなあということかもしれませんね。

投稿: Kako | 2004/12/04 16:04

僕のKakoさんのblogはお気に入り登録ですよ。
また行きたくなる街、また食べたくなる味、と同じように、「また読みたくなるblog」です。

ちなみに、僕は自分のblogのことを友達には広く言っていますが、それは友達が登場しないからかもしれません。

投稿: ひざがわり | 2004/12/04 23:41

ひざがわりさん、こんにちは。

お褒めの言葉を頂いて恐縮しきりです。
ただ・・
こんな書き方をして、「でも、私はあなたのblogが好きですよ」と言ってもらうのが目的だったような気になってしまいました。そのつもりはなかったのですが。

結果として皆さんに気を遣って頂いてしまったみたいで、ちょっと反省しています。

投稿: Kako | 2004/12/05 11:10

そんな気にしなくてもいいと思いますよ。
好きなblogを好きと書いている、思っていることをそのまま書いているだけなのですから。

表現の格言か何かで(正確には憶えていないのですが)「雨が降っているのなら、雨が降っていると書け」というものがあります。それと同じ… かどうか、自信はありませんが(笑)。

投稿: ひざがわり | 2004/12/05 23:44

ひざがわりさん、こんばんは。
またフォローして頂いてしまってすみません。・・あ、また謝ってしまいました(苦笑)

そうですね。「好き」という言葉をそのとおり受け止めて、素直に喜ばせて頂くのがいいのでしょうね。

いつもここをのぞいて下さっている方には、ひざがわりさんを含め、本当に感謝したいと思います。

投稿: Kako | 2004/12/06 22:03

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