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ワインの楽しみ方

スーパーに寄ったら小さなテーブルの上にワインが沢山ディスプレーされ、おばさまが「いかがですかー」と声を張り上げていた。ボジョレーヌーボー解禁である。「ワインに合うおつまみとご一緒にどうぞ」と書かれた紙のそばにチーズやスモークサーモンなども並べてあって、なかなか商売上手だなあと苦笑してしまった。

私はもともとお酒に弱い上に、何故だかワインを飲むと貧血を起してしまうため人前では飲まないことにしている。それでも、ワインをほんの少し飲むようになったのは、やはりオランダで暮らしたことがきっかけだった。

オランダでワインが作られるという話は聞いたことがないが、ヨーロッパ内で出来たワインは陸路で手軽に運べるし関税もかからない。もちろん、ハイネケン本社のあるオランダのことだからビールが安く手にはいるのだけれど、ワインも負けてはいなかった。ショッピングモール内のリカーショップには、高級な贈答品ばかりでなく200円ぐらいの安いものまで置いてあったのだ。まあ、それだけ安いものは、おそらく料理用なのだろうが。

ヨーロッパの人にとってワインは、日本人が思うよりもきっともっと気楽なものだ。それでいてもっと大切な物でもある。フランスは特にそうだと思う。

一度、ブルゴーニュ地方をドライブして回ったことがあった。見渡す限りの丘陵をブドウ畑が覆っている様は本当に美しかったが、印象的だったのは、そこのワイナリー(ワインを作っているところ)を訪れているフランス人達が皆とても幸福そうだったことだ。彼らは秋、ワイナリーリストを片手にあちらこちらを回って歩く。試飲を繰り返しながら納得のワインを見つけ、ラック単位で買い付けるのである。多分、それは、何かのガイド本に頼るということではなくて、自分の舌が喜ぶものを探し出す楽しみなのだと思う。
そうやって手に入れたワインはフランス人にとって食事のメインであって、料理の方は単なるおつまみなのかもしれない。

フランス以外でもイタリアやスペインなどでワインは作られるし、日本では滅多にお目にかからないスイスワインなんかもおいしいらしい(私も飲んでみたけれどよく分からなかった)。ドイツは白ワインが多く、飲み方のスタンスがやはりフランスなどとはちょっと違うようだ。これはこれでまたおもしろい。

私は、特にドイツのグリューワインがお気に入りだった。グリューワインというのは、ホットワインのことである。「えっ? ワインを温めるの?」と思う方もいるかもしれないが、砂糖やスパイスが入ってちょっと癖のある味で、慣れるとやみつきになる。

ドイツ人はこれを、クリスマス市で飲む。ヨーロッパの街ではどこも多かれ少なかれ市が立つのだが、ドイツのそれはとても盛大で、夜中までにぎわっている。クリスマスの準備品が並んだ店をひやかすのは楽しいけれど、とにかく寒い。息が白くなるほどだ。そこで、ホットワインで身体を温めるのである。紙コップのものを買うのもいいけれど、マグカップで受け取ればそれがそのまま家へのおみやげになる。マグにはその年号とクリスマスの街の絵がかかれているのだ。

色んなワインの楽しみ方があっていいのだろう。ボジョレーヌーボーで盛り上がる日本の秋も、これまた日本らしいワインの楽しみ方なのかもしれない。

(そうそう、あずささん、懸賞でボジョレーヌーボーが当たり、解禁日の今日に届いたのだそう。そんなプレゼントはとても素敵で、うらやましい。)

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コメント

kakoさん、こんばんは。

トラックバックありがとうございます。
ワインを飲むことは好きなのですが、ヨーロッパのワインにまつわるお話は、初めて聞くことが多くとても参考になりました。特に、フランスのワイナリーのお話は、ワイン好きのフランス人ならではのことなのでしょうね。
私も、スペインにいた頃、バルでの飲み物は、ワインが多かったです。理由は、ビールよりジュースより安かった(グラスワイン一杯で20~30円)からなのですが・・・。でも値段が安くても、おいしいんですよね。タパスという色々なおつまみにもぴったり合って、ついついおかわりを注文していました。

ドイツのグリューワインというのも変わってますね。好奇心旺盛な私は、いつかクリスマスの時期に行って味わってみたいなあ、と思ってしまいました。

投稿 あずさ | 2004/11/19 00:34

きのうGallery さんのところで、このGruehwein やVin Chaud に関する記事を読んだところですよ~、わたしもグリューバイン大好きなんですよね。ワインの甘いのは嫌いでも、これだけは許せちゃうな。たぶん、甘酒だと思っているからでしょうか。なんといっても、クリスマス市とセットになってますもんね。ああした世界を見ていると、やっぱりクリスマスはどうしたって日本に輸入しきれるものじゃないと、嘆息してしまいます。
楽しい記事をありがとうございました(^^)

投稿 mokaneko | 2004/11/19 14:46

あずささん、こんばんは

ドイツのクリスマス、綺麗ですよー。有名なニュールンベルクのクリスマス市は見ることが出来ませんでしたが、ケルンあたりでも素敵でした。ただ、寒いです! いや、寒さは仙台とそんなに変わらないかもしれませんが、暗いんです! 
もっともそれはその辺りに住んでいたからで、旅行で行く分にはイルミネーションを楽しめる時間が長いということになるのでしょうけれど・・・。

そこから逃れたくて、クリスマスにスペインへ脱出したことがありました。・・が、南でも天気は悪く、コスタデルソルでは太陽海岸とは名ばかりで鉛色の空しか拝めませんでした(涙)。しかも、嵐。友人に話したら、「あそこに雨が降るなんて想像できない」と言われました・・。

投稿 Kako | 2004/11/19 21:56

mokanekoさん、こんばんは。

ドイツ語読みに徹するとグリューバインが正しいのですね。お恥ずかしい・・。

あれはワインと似ていて違う物、という感じなのでしょうか。確かにとっても甘くて、甘酒みたいですよね。

去年の冬、あるワイン売り場で見つけたので買って試してみたのですが、味が濃すぎて最後まで飲み切れませんでした。本当は自分の好みに合わせて作るのがよいのでしょうね。今年は試してみようかなあと思っています。

でも、多分、クリスマス市で歩きながら飲んだグリューバインのようには、おいしくできないのでしょうね。キンと冷えた石畳の上をさざめきながら歩く人々と、色とりどりのクリスマス雑貨たち。それらがおいしくしてくれていたのでしょうから。

投稿 Kako | 2004/11/19 22:05

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